2026-02-15
「総合型選抜、自分にも受かるチャンスはあるのでしょうか?」
結論からお伝えします。あります。ただし、学力だけで決まる一般選抜とは戦い方が違います。
総合型選抜は、学力に加えて、あなたの意欲・実績・大学とのマッチングを総合的に評価する入試方式。戦い方を知っていれば、偏差値に自信がない人にもチャンスは十分あります。
この記事では、pispis教務責任者の梶原脩(北大工学院卒・研究者経験あり)が、総合型選抜の仕組みから具体的な対策まで、250名以上の受験指導をしてきた立場から解説します。
この記事でわかること:
目次
総合型選抜(旧AO入試)は、大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と受験生の目的意識・能力のマッチングを総合的に評価する入試方式です。
大学入試は、大きく分けて「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」の3つがあります。それぞれの違いを比較してみましょう。
| 選抜方式 | 評価のメイン | 出願の条件 | 試験時期(目安) |
|---|---|---|---|
| 総合型選抜 | 意欲・人物像・大学とのマッチング | 基本的に誰でも出願可能(※) | 9月〜12月頃 |
| 学校推薦型選抜 | 高校での成績(評定平均)・実績 | 出身高校の校長の推薦が必要 | 11月〜12月頃 |
| 一般選抜 | 当日の学力試験の点数 | なし | 1月〜3月頃 |
※大学によっては一定の評定平均や資格(英検など)が必要な場合もあります。
総合型選抜の最大の特徴は、学校長の推薦がなくても、自分の意志で自由に出願できる点です。大学への熱意や、高校時代に頑張ったこと(部活、ボランティア、探究学習など)を直接アピールできるチャンスが広がっています。
僕自身、北大工学部・工学院で卒論・修論・学会発表を重ねてきた研究者経験があります。そのなかで、「探究したテーマを大学にぶつける」総合型選抜の本質と、自分の研究経験が重なっていることに気づきました。だからこそ、この入試方式が高校生の可能性を広げる大きなチャンスだと伝えたい——それがこの記事を書く動機です。
総合型選抜は、一般選抜と比べてスケジュールが非常に早いのが特徴です。高校3年生の1学期から本格的な準備が必要になります。
6月〜8月:情報収集・エントリー
オープンキャンパスに参加し、大学の情報を集めます。大学によっては、この時期から事前のエントリーや事前面談が始まります。
9月:出願
9月1日以降、各大学で正式な出願受付がスタートします。この時期までに志望理由書などの提出書類を完成させる必要があります。
10月〜11月:試験本番
書類選考(1次試験)を通過すると、面接や小論文などの2次試験が行われます。
11月〜12月:合格発表
早ければ11月中に合格が決定します。
高3の夏休みには志望理由書を書き上げる必要があるため、高1・高2のうちから「自分が大学で何を学びたいか」を考え、実績を作っておくことが成功の鍵になります。
総合型選抜では、主に以下の3つの要素から多面的・総合的に評価されます。
「なぜこの大学のこの学部でなければならないのか」「高校時代にどんな課題に取り組み、何を学んだか」を論理的に文章で伝える力が求められます。ここが合否を分ける最大の要素で、僕が指導で最も時間をかける部分でもあります。
提出書類の内容をベースに、対話を通じて熱意やコミュニケーション能力、思考力がチェックされます。大学によっては研究テーマへの踏み込みが非常に深くなり、学会発表に近いレベルで議論を求められるケースもあります。
近年は基礎学力を問う筆記試験や、小論文を課す大学が増えています。また、英検などの資格が評価されることも多いです。
ここまで総合型選抜で評価される3つの柱を見てきました。では実際に、大学ごとに試験内容はどう変わるのでしょうか。大学や学部によって求める人物像や試験内容が大きく異なるので、ここでは3つのパターンに分けて具体的な事例を紹介します。
国公立大学の総合型選抜は、高い基礎学力と研究への探究心の両方が求められる傾向にあります。大学入学共通テストの受験が必須となるケースが多く、一般選抜に近い学力が求められます。
事例:東北大学は全学部でAO入試を実施し、入学者の約3割をAO入試で選抜する方針を掲げていることで知られます。共通テストの点数に加え、筆記試験や面接を通じて、大学のハイレベルな研究についていけるか、特定の分野に対する強い好奇心があるかが厳しく評価されます。
早慶をはじめとする難関私立大学では、圧倒的な実績や明確なビジョン(問題発見・解決能力)が重視されます。評定平均の基準が高い学部や、英語資格が必須になる学部が多くあります。
事例:慶應義塾大学SFC(総合政策学部・環境情報学部)は、日本でいち早くAO入試を導入した学部です。「SFCで何を学び、将来社会にどう貢献したいのか」という強烈な目的意識が求められます。何か一つでも突出した活動実績を持つ学生が評価されやすいのが特徴です。
中堅私立大学では、大学とのマッチングや入学後の意欲を重視する「対話型(面談型)」の入試が増えています。オープンキャンパスへの参加や事前面談が必須条件となっているケースがよく見られます。
事例:エントリーシートを提出した後、複数回にわたって大学の教員と面談を行い、お互いの理解を深めてから正式な出願に進むシステムを採用している大学が多くあります。
ここで挙げた事例はあくまで一例です。同じ大学でも学部・学科によって試験内容や出願条件はまったく異なるため、必ず志望校の最新の募集要項を確認してください。
総合型選抜はチャンスが広がる入試方式ですが、誰にでも適しているわけではありません。
ただし、「今の自分は向いていないかも」と感じた人も、焦る必要はありません。総合型選抜で求められる「探究する力」「言語化する力」「伝える力」は、後天的に鍛えられるものです。次のセクションで、実際に合格した生徒のケースをお見せします。
僕が実際に指導して千葉大学教育学部に合格したO.Mさん(仮名)のケースを紹介します。
O.Mさん|千葉大学教育学部 合格
生徒の属性
高校生のときに特別支援学校でインターンシップを経験し、その活動が新聞にも取り上げられるような実績を持っていました。
入塾時の課題
豊富な活動実績(=武器)はあるのに、それを面接や書類でどう使えばいいのかが分からない状態でした。入塾時期も6月末で、試験まで残り2〜3ヶ月と切羽詰まっていました。
指導で変えたこと
まず取り組んだのは「結論ファースト」で伝える練習です。そして大学ごとのアドミッション・ポリシー(求める学生像)を徹底的に読み込み、それぞれに合わせて書類を書き分けるアプローチに切り替えました。
本人の言葉
「武器は持っとるけど武器の使い方知らんみたいな(状態だった)」
「受験はマジで戦略ゲーやなと思ってて。いろんな人の助け借りて立ててもらったりそっから自分で走るんじゃなくて一緒に走ってもらったりした方が自分的には気が楽だった」
O.Mさんのケースから学べるのは、「武器(活動実績)」と「武器の使い方(戦略)」は別物だということです。どれだけ強い実績があっても、アドミッション・ポリシーとのマッチングを設計しなければ伝わりません。
逆に言うと、戦略さえ正しく組めば、入塾6月末という遅いスタートでも第一志望を取れる可能性があります。
A. すべて同じ入試方式を指しています。正式名称は「総合型選抜」ですが、以前の名称である「AO入試」の名残や、推薦入試の一種として捉えられることから、「総合型推薦」「総合型入試」と一般的に呼ばれることもあります。
A. 大学によります。近年は評定平均を重視する傾向にあり、多くの大学で出願条件(例:評定平均3.5以上など)が設定されています。一方、評定不問の大学もあります。日頃の定期テストもしっかり対策しておくことが大切です。
A. 基本的には「専願(合格したら必ず入学する)」が多いですが、一部の大学では「他大学との併願OK」としている場合もあります。必ず各大学の募集要項を確認してください。
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